【書評・ポイント】「超」勉強力 ①学びたい方へ

ビジネス書

『「超」勉強力』 中野信子 山口真由

今回は前回に引き続き、脳科学である中野信子さんと東大を首席で卒業された山口真由さんの『「超」勉強法』という本です。

前回たまたま読ませていただきました中野さんの思考がすごく興味深く、「脳の闇」を読み終わった当日に本書を買ってしまいました(笑)

元々山口さんについては、会計士の勉強をしていたときに、勉強法を学びたく、著書を読んだことがあったと記憶しています。

(ただ残念ながら、当時の私には、いまいち山口さんの取り組んでいる勉強法は合いませんでした…)

本書を読んで改めて勉強の大切さ、取り組み方について気付かされることが多かったです。やはり、社会人になって日々仕事に追われると、正直、勉強する気力はなかなか起きないと思います。

しかし、そんな人こそこの本を読んでもらいたいですね。勉強の楽しさを感じれらることができます。

あとは、小さなお子さんがいる方、親が子に与える影響の大きさを考えさせられます(多くの本を読ませてくれた母親には感謝しないといけないなと思いました)。

冒頭で「頭のよさ」に触れましたが、わたしは旧来の試験の点数や偏差値、学歴などを重視する勉強は、早晩意味が薄れていくと見ています。

それよりも、もっと自分の知的空間を広げていくような、楽しみに満ちた「よろこびとしての学び」が現実的な意味においても必要で、また意義を高めていく流れが必ずきます。

『「超」勉強力』中野信子 山口真由

お二人とも東大出身ですので「勉強」に関してトップクラスの成果を出してきた方ですが、それぞれの考え方や取り組み方が異なるので、非常に面白かったです。

一人一人に最適な方法があり、個人的には中野さんの方法論が合うと感じましたが、マインドでは山口さんの方に共感出来ました。

なので、どっちがいいというお話ではなく、勉強の楽しさを知り、自分にあった方法の参考になればいいですかね。

というところで、本書の内容に入っていきましょう。

今回の記事は、こんな方におすすめ

・学ぶ楽しさを知りたい方
・勉強へのモチベーションを高めたい方

概要

本書の流れとしては、下記のようになっています。

・はじめに 中野信子

・【思索編】
学ぶ、知る、生き延びる 中野信子
前身はいつも勉強と共に 山口真由

・【実践編】
脳がよろこぶ学びの技術 中野信子
反復と継続の極意

・おわりに 山口真由

ただ、それぞれどういった内容かについてはお二人自身が書かれていますので、そちらを引用した方が分かりやすいかと思います。

まず「はじめに」で中野さんが書かれていることです。

本書では、まず【思索編】で、わたしたちが自分の体験をもとに勉強について考えていることを書きました。

個人的な人生の軌跡をたどるかたちですが、そのなかにみなさんの「勉強力」を高めるヒントになることをできる限り盛り込みました。

次に、【実践編】として、わたしたちが実際に日々行っている具体的な勉強法をご紹介します。

とくに山口さんは自分の勉強法を確立しているので、ふたりのパートを読み比べることで、共通項をさぐったり検証したりすることができるでしょう。

『「超」勉強力』中野信子 山口真由

次に「おわりに」で山口さんが書かれていることです。

本編では、まず【思索編】において自分の「勉強人生」を振り返り、勉強についてわたしが考察してきたことを記しました。

これまでどのように勉強してきたのか。そして、どうすれば勉強ができるようになるのか。

なるべく卒直に書くことで、個人の半生を綴るかたちながら、みなさんの勉強の参考になる情報を盛り込んだつもりです。

次に、【実践編】として、わたしが編み出し、かつ多くの人にとって普遍性がある勉強法だと確信している「7回読み勉強法」のエッセンスをまとめています。

『「超」勉強力』中野信子 山口真由

今回の記事の内容としては【思索編】から抜粋して記載していきます。

あと実は、「おわり」にの前にお二人の対談があるのですが、ここが非常に興味深いです。お子さまがいる方はにはぜひ読んでもらいたです。

内容について

学びは「己を知る」ことが9割

本書の中で、中野さんは下記のように記載しています。

自分にとって効果的な学びをするには、「己を知る」ことがとても大切だということです。

わたしは、「己を知ること」が、学びの9割をも左右すると考えています。

自身の強みに10代や20代で気づける人もいれば、遅くまで気づけない人もいる。人それぞれよいところはあるはずなのですが、過度に不安を感じがちな性格だったり、

まわりの環境の圧力があったりして気づけない人もいます。それは、とてももったいないことです。

『「超」勉強力』中野信子 山口真由

実際に中野さんは、幼いころコミュニケーション能力が不足していて、まわりから「変だ」と言われていましたが、それにより逆に勉強ができることが強みであると気づいたと書かれています。

それ故に自身の能力を最短距離で上げる戦略として、勉強が仕事になるような生き方を選ばれたということです。

とは言え、なかなか自分では、その強みに気づくのは難しいなと思いました。私自身も正直、何が強みなのかはっきりとはまだわかりません。。

そして、中野さんは、己を知るためには、複数の視点から自分を認識して、比較することでしかわからないと書かれています。

(複数の視点から自分を認識するには、多くの本を読み、多くの知識を得ることが必要不可欠だとも)

確かに、私も上司に思ってもいない強み(物腰柔らかで、人当たりがいいとか)をマネージャーとして評価されたことがありました。

この先さらに、己を知り、学びを自分の能力向上につなげるため、多くの知識を得たいな、そう思わせてもらえる内容でした。

 

国語力があれば数学や物理にも対応できる

山口さんの思索編を読んでいて、一番ハッとしたのがこの部分でした。というのもこれは、私が常日頃思っているのと同じことだったからです。

試験勉強の王道は、「自分の得意なスキルを活かす」ことです。わたしは、子どものころから「読むこと(国語力)」が最大の武器でした。

それをできる限り活かして、問題を正確に理解し、解答に至る過程を細大漏らさず記述すること。そうすることで、苦手な数学や理科もクリアできたのです。

得意なスキルは人それぞれです。ただし、「国語力」は、あらゆる勉強の土台となる力なので、これを磨くことが確実によい結果につながると考えています。

『「超」勉強力』中野信子 山口真由

本書は、勉強を主題としたものなので、上記のように試験勉強について書かれていますが、これは仕事においても同様です。

あらたな分野を学ぶにしても「国語力」があるのとないのでは、伸び方が違いますし、初見の資料を作成するにしても、求められていることが理解できる程度が異なるので、仕上がりも当然異なります。

なぜ、この人は書いてあるのにその通りにしないのだろう?そう思うこともありました。ただ、これが「国語力」の差で、今は人それぞれ差があることも理解できてきました。

そのため、文章を読むことに慣れていない方は小説でもいいので、読書の習慣をつけ、読むことの抵抗感をなくすことがいいのかもしれません。

一方で、部下を育てる立場の方は、国語力の有無を理解した上で指示や教育を心掛けた方がいいのだと思います。と、自分への戒めを書いてみました。

ただ、お二人とも勉強に関して、幼い頃からしっかり考えて向き合ってきたのだなと感じました。

正直、私は勉強と向き合ったのは、社会人になってからだなと思います。それまでは勉強にはあまり面白みも感じていませんでしたし、もったいないことをしていたなと今ならわかります。

ただ、本を読む習慣のある家庭で育ったこと、ほんの少しだけ己(目標を設定すれば真面目に取り組む性格である)を知っていたことはラッキーでした。

そのおかげで、公認会計士にもなれて、今の自分があるんですからね。

ただ、本書の中で中野さんは、こう書いています。

人それぞれ、学びの気持ちが高まる時期があると思います。そして、そのときこそが「学びどき」なのです。

『「超」勉強力』中野信子 山口真由

私はこの学びたい気持ちが今であると思い、また一層勉強に励みます。人は何歳だって学ぶことができます。

というところで、気持ちが入ってしまいましたので、これぐらいでやめておきたいと思います(笑)

最後までお読みいただきありがとうございました!

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