【書評・ポイント】『すぐ「決めつける」バカ、まず「受けとめる」知的な人』②自分が正しいと思ってしまう方へ

ビジネス書

『すぐ「決めつける」バカ、まず「受けとめる」知的な人』安達裕哉

前回に引き続き、『すぐ「決めつける」バカ、まず「受けとめる」知的な人』です。

今回も最初に補足しておくと、著者の安達さんは感覚的に「バカ」と言っているわけではありませんし、

「バカ」と人を罵倒することは褒められたことではないと書かれています。

本書の冒頭で「バカ」下記のように記載されています。

「バカ」は人の属性ではなく、考え方の属性なのです。

バカな人がいるのではなく、バカな考え方や振る舞い方があるだけなのです。

「バカに見える」発言も、その裏には素晴らしいアイデアや、熱い想い、強烈な体験などがあり、それは決して軽んじてよいものではありませんでした。

『すぐ「決めつける」バカ、まず「受けとめる」知的な人』安達裕哉

要するに、「バカ」と扱われてしまうような考え方や、それによる振る舞いがあるだけで、「バカ」ない人がいるわけではないということですね。

なので、誰でも気を付ければ「バカ」にはならないし、逆に誰でも「バカ」とみなされるような行動をしてしまう可能性はあるということです。

ということで、本書の内容に入っていきたいと思います。

 

今回の記事は、こんな方におすすめ

・仕事で対人関係に悩む方
・自分が正しいと思っている方

概要

本書は3つ章から構成されています。

第1章 すぐに決めつける、耳をふさぐ「バカな振る舞い」
第2章 「なぜ、バカな振る舞いをしてしまうのか」を行動経済学・心理学から見る
第3章 どうすれば、「バカな振る舞い」をやめることができるのか?

目次を見るだけで、内容がスッと入ってくる分かりやすい構成ですね。

まず最初に「バカ」とはなにか?という点について考察し、
次になぜそのような行為をしてしまうのかを追究し、
そして最後にどうすればそのような行為をやめられるのか?
といったアクションにつなげています。

実体験をベースにしたライトな内容も相まって、誰でも読みやすく、分かりやすい内容だと思います。

まず、どのような行為が「バカ」なのか、第1章に沿って記載していきます。

内容について

「いくら正しくても、失礼だと敵視され、殺されてしまう」について

第1章では、「バカ」とは何か?ということが書かれています。

その中の一つが相手の自尊心(プライド)を傷つけることを気にしない、すなわち「失礼」な人です。

本書の中では下記のように記載されています。

残念ながら 「正しいこと」をそのまま伝えると、「失礼」になることも多い。

・データがこう言っています
・論理的にはこちらが正しいです
・筋が通ってないですよね
・法律違反ですよね

しかし、こういった「正しさ」を、間違っている人にぶつけても、たいていはもの別れに終わる。

しかも、敵視される。

『すぐ「決めつける」バカ、まず「受けとめる」知的な人』安達裕哉

これを読んで、ふと思い出した人がいました(仮にCさんとします)。Cさんは品質管理を担当されており、普段は真面目で優しい人でした。

しかし、ルールに関してはとても厳しく、ルールを破った方にはかなり激しく非難していました。

ただ、もちろんルールは会社の皆のためにあり、守るのが普通で、破った方が悪いのは当然のことです。

ある日、Cさんは決められた期限を守らない現場の社員を厳しく追及していました。

しかし、Cさんがあまりにも感情的に責めるため、責められている方も自分が悪いのは知っているが、そこまで言われると素直に非を認めることが出来なくなってしまいました。

その後もそういったことが続き、現場の人々はCさんのいる品質管理部のいう事を聞き入れなくなりました。

また、より良いものを作るための相談や質問もなくなっていったそうです。

その結果として、品質管理の機能は著しく低下しました。

また、Cさんは正しいことをしているにもかかわらず、現場は言うことを聞かないし、

上長からも注意を受けてることになり、結局退職することになってしまいました。

これはCさんが相手の自尊心(プライド)を傷つけたことが原因です。

行っていること自体はルール守らせるという役割を果たしているため、正しいことをしていると言えます。

ただ、結局は自分の所属している部署の機能を低下させてしまったため、「バカ」な行為であったということになるかもしれません。

また、この相手の自尊心(プライド)を傷つけるな、ということは名著「人を動かす」でも繰り返し記載されており、コミュニケーションを取る上での最重要事項といっても過言ではないのです。

そもそも、相手の間違いを、何のために指摘するのだ

──相手の同意を得るために?とんでもない!相手は、自分の知能、判断、誇り、自尊心に平手打ちを食らわされているのだ。当然、打ち返してくる。考えを変えようなどと思うわけがない。どれだけプラトンやカントの論理を説いて聞かせても相手の意見は変わらない

──傷つけられたのは、論理ではなく、感情なのだから。

D・カーネギー.人を動かす

また、この部分の最後には、下記のように記載されており、本当に自分に染み込ませないとダメだと再認識しました。

正しさも、適切に差し出さないと「バカ」な振る舞いとなってしまうのです。

必ず相手に敬意を払い、失礼にならないように意識しましょう。

「正しさ」は、差し出し方とともなって、初めて意味を持つ。

「私の言っていることは正しいから、相手を無礼に扱っても大丈夫だろう」などとは、ゆめゆめ思ってはならない。

そのことを忘れたとき、「正しさ」は単なる「傲慢」に堕ちる。

『すぐ「決めつける」バカ、まず「受けとめる」知的な人』安達裕哉

以上、今回は自分が正しいと思ってしまう方に向けてて書かせていただきました。

また後日は具体的な第2章以降について(対応策)も書きたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!

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