【書評・ポイント】すぐ「決めつける」バカ、まず「受けとめる」知的な人①対人関係で悩む方へ

ビジネス書

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『すぐ「決めつける」バカ、まず「受けとめる」知的な人』安達裕哉

今回は、『すぐ「決めつける」バカ、まず「受けとめる」知的な人』です。

ちょっと刺激的なタイトルなので、初めに補足しておきますが、著者の安達さんは感覚や感情で「バカ」と言っているわけではありません。

本書の中で、「バカ」と、人を罵倒することは褒められたことではない(当然です)と書かれています。

きちんと「バカ」とはなにか?そう呼ばれてしまう人のはどのような存在か?から検討されており、ただ過激な表現で注目を集めているような本ではありませんので、ご心配なく。

冒頭で本書でいう「バカ」下記のように記載されています。

「バカ」は人の属性ではなく、考え方の属性なのです。

バカな人がいるのではなく、バカな考え方や振る舞い方があるだけなのです。

「バカに見える」発言も、その裏には素晴らしいアイデアや、熱い想い、強烈な体験などがあり、それは決して軽んじてよいものではありませんでした。

『すぐ「決めつける」バカ、まず「受けとめる」知的な人』安達裕哉

この本を読んだきっかけとしては、たまたま悩みごとを検索していたとき『Books&Apps』というメディア(ブログ記事)に出会い、どんな人が書いているのだろう?と調べたところ本書の著者の安達さんでした。

いや本当に鋭い考察、実体験に基づいた読みやすい内容、本書だけでなく『Books&Apps』の記事も本当に勉強になるなと感動しました。

このブログももっと読者の皆さまに役立つように書いていきますので、引き続きよろしくお願いいたします!

ということで、内容に入っていきたいと思います。

 

今回の記事は、こんな方におすすめ

・仕事で対人関係に悩む方
・賢い人になりたい方

概要

本書は3つ章から構成されています。

第1章 すぐに決めつける、耳をふさぐ「バカな振る舞い」
第2章 「なぜ、バカな振る舞いをしてしまうのか」を行動経済学・心理学から見る
第3章 どうすれば、「バカな振る舞い」をやめることができるのか?

目次を見るだけで、内容がスッと入ってくる分かりやすい構成ですね。

まず最初に「バカ」とはなにか?という点について考察し、
次になぜそのような行為をしてしまうのかを追究し、
そして最後にどうすればそのような行為をやめられるのか?
といったアクションにつなげています。

実体験をベースにしたライトな内容も相まって、誰でも読みやすく、分かりやすい内容だと思います。

まず、どのような行為が「バカ」なのか、第1章に基づいて記載していきます。

内容について

「バカとは何か。バカとはどう付き合うか」

第1章では、「バカ」とは何か?ということが書かれています。

私はこの「バカ」とされる行為が一言で述べられているな思ったのが下記の部分です。

人に「自分の信念を肯定する証拠を意図的に探す」傾向があるということは、裏を返せば、人は「信念を否定される」「反証を出される」と、情報を意識的、無意識的によらず、シャットアウトするということでもある。

「情報のシャットアウト」の正体こそが、「バカ」の本質だ

『すぐ「決めつける」バカ、まず「受けとめる」知的な人』安達裕哉

これは意識していなかったですが、思い当たることは数多くあります。

ある日、部下の一人(Aとします)がとある同僚(Bとします)に対しての苦情を言ってきました。

Aさん「Bさんは、マネージャー(私です)のいう事は聞きますが、先輩である僕(A)のいう事を聞きません。分かったふりをして後で多くの質問をしてくるので対応に困っています」といった内容でした。

これを聞いた私は、別にBさんは私に対しても多くの質問をしてくるし、入社して日も浅いため、

多くの質問をして当然であると思いましたので、そのように回答しました。

しかし、Bさんは納得していませんでした。

こんなに質問をうけているよと笑いながら、質問を受けた内容をチラッとBさんにも見せましたが、不満の残った表情は変わりません。

はて、事実を伝えたのに納得されない、これは一体どいうことかと、私は考えました。

ただこれは簡単なことで、AさんはBさんのことが嫌いだったのです。

なので、AさんはBさんの態度が自分に対してだけ悪いという思い込みをし、それに反する私の回答はシャットアウトされてしまったのです。

このAさんの行為について、「バカ」とまで言えるかはさておき、確かに私は困ったものだと感じたことを覚えています。

また、この好き嫌いの感情で判断してしまうことは「感情ヒューリスティック」というもので、本書の中でもダニエル・カーネマンの『ファスト&スロー』を引用して説明してくれています。

たとえば好みの党派だというだけで相手の主張に納得するのは、その一例である。

あなたが現政権の医療政策に満足していたら、この政策は便益が大きく、費用も他の政策に比べ割安だと判断するだろう。

『すぐ「決めつける」バカ、まず「受けとめる」知的な人』安達裕哉

なので、こういったときのマネージャーとしての私の対応としては、事実をそのまま伝えてあげるのではなく、好き嫌いで判断しないよう誘導してあげることだったのかなと今は思っています。

また、もう一つ気を付けなければならないことがあります。

それは本書には下記のように書かれています。

バカは思い込む。
バカは正しさを検証しない。
バカは固執し、ほかの可能性を探らない。
バカは結論に飛びつく。
バカは偏見を持つ。

……ということは、もう1つ重要な事実が明らかになる。それは、人は誰でもバカになりうる、という事実だ。

『すぐ「決めつける」バカ、まず「受けとめる」知的な人』安達裕哉

これは本当にその通りです。別に先ほどの例に出したAさんも、普段から仕事ができないというわけではありません。

Bさんへの負の感情が彼の行為を「バカ」にしてしまったのです。

というように、どんな人であっても状況によってはバカになってしまうことを意識しなければならないということです。

人の振り見て我が振り直せ、ですね。

以上、今回はバカとはなにか、といったことについて書かせていただきました。

また後日は具体的な第2章以降について(対応策)も書きたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!

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