今回の記事「人を動かす」D・カーネギー
今回は、D・カーネギー「人を動かす」の第三回目です。
記事を書くにあたり、改めて読み直しましたが、何度読んでも勉強になりますね。
頭で分かっていても、つい忘れてしまうこともしばしば…
本は一度読んで終わり、というものではなく、
何度も読んで、時には書き込んで、
自分のものにしていくものかなと私は思います。
ということで、ぜひ本書も繰り返読んで、自分の考えの中に取り込んでいただければ幸いです。
今回の記事は、こんな方におすすめ
・チームリーダーやマネージャーとなった方
・交渉が苦手な方
概要
本書の内容は、4つのパート+1となっています。
PART1 人を動かす三原則
PART2 人に好かれる六原則
PART3 人を説得する十二原則←今回の記事
PART4 人を変える九原則
付 幸福な家庭をつくる七原則
前回はパート1「人を動かす三原則」について記載しましたので、今回はパート2「人に好かれる六原則」のうち、仕事をする上で、重要かつ手軽にできるところを紹介したいと思います。
もちろん、他の原則についても非常に有用ですので、全部お読みいただきたいところです。
内容について
「議論をさける」について
PART3 人を説得する十二原則のうち、まず最初に意識しているのは「議論をさける」です。本書の中でも下記のように記載されています。
議論は、ほとんど例外なく、双方に、自説をますます正しいと確信させて終わるものだ。議論に勝つことは不可能だ。もし負ければ負けたのだし、たとえ勝ったにしても、やはり負けているのだ。なぜかと言えば
──仮に相手を徹底的にやっつけたとして、その結果はどうなる?
──やっつけたほうは大いに気をよくするだろうが、やっつけられたほうは劣等感を持ち、自尊心を傷つけられ、憤慨するだろう。
──「議論に負けても、その人の意見は変わらない」
D・カーネギー.人を動かす
そう、意外と思う方もいるかもしれませんが、人を説得しようと思ったら、議論をしてはいけないのです。
これは、本書にある通り、結局無理やり従わせることはできるかもしれませんが、やられた方にしてみれば、自尊心を傷つけられたので、遺恨は残ります。
私が若手の頃、とあるプロジェクトの担当となりました。そのプロジェクトメンバーは複数の部署から組成されたものでしたが、結局、大した成果を残すことはできませんでした。
その原因がまさに議論(口論)だったのです。
というのも、そのアサインされた方々は部署を代表してきており、自部署のメリットを多くするべく、議論を重ねていました。
その中で、結局は意地でも意見を曲げない方がおり、その方の思うような進め方となったのですが、他部署の方(私も含めてですが…)は、協力する気になりませんでした。
その結果、プロジェクトはなかなか進まず、結局中止されることになりました。
このように、議論(口論)をしたところで、人は変わりませんよね。
なので、説得しようと思ったら、意見をぶつけて、相手の考え方を変えるといったことはしてはならないのです。
思いやりを持ち、相手に寄り添って共感するところから始めてみてくださいね。
「誤りを指摘しない」について
次は「誤りを指摘しない」といいう点についてです。
「議論をさける」と少し似ているのですが、真正面から誤りを指摘したところで、不毛な争いになるっことは目に見えています。
そもそも、相手の間違いを、何のために指摘するのだ
──相手の同意を得るために?とんでもない!相手は、自分の知能、判断、誇り、自尊心に平手打ちを食らわされているのだ。当然、打ち返してくる。考えを変えようなどと思うわけがない。どれだけプラトンやカントの論理を説いて聞かせても相手の意見は変わらない
──傷つけられたのは、論理ではなく、感情なのだから。
D・カーネギー.人を動かす
本書の中でも上記のように記載されています。
なので、説得する際には、相手をさりげなく諭すようにすることが、有効だということです。
例えば、「私が誤っているかもしれませんが…」といった前置きを置くことや、一緒に確認してもらうという進め方の中で、相手にそれとなく伝えるのがいいのかもしれませんね。
「思いつかせる」について
最後に、「思いつかせる」です。これはなかなか難しいのですが、こうできるようになりたいといつも思っています。
本書では、最初にこのような結論が記載されています。
人から押しつけられた意見よりも、自分で思いついた意見のほうを、我々は、はるかに大切にするものである。
すると、人に自分の意見を押しつけようとするのは、そもそも間違いだと言える。暗示を与えて、結論は相手に出させるほうが、よほど利口だ。
D・カーネギー.人を動かす
これは、命令や強制ではなく、相手が「自分で考えて決めた」というように、感じさせることが必要であるということです。
これは例えで言うと、最初から最善の策ではなく、ちょっと無理のある提案をすることが考えられます。
そうすることで、相手は提案された無理な内容から、可能な範囲を考えてくれ、自分で決めることになるかもしれません。
また、相手に適宜質問をして、確認してもらうことも一例でしょう。
相手も質問をして、回答をもらえれば、納得感が得られ、強制されているという感覚は減るかもしれませんね。
以上、PART3から3つの原則を抜粋して書かせていただきました。
他部署への依頼や部下への指示、営業等、人を説得する際には、ぜひ試してみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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