今回の記事「スラムダンク勝利学」辻秀一
今回は、漫画「スラムダンク」を題材に、スポーツ心理学の観点から、「考え方」について解説している「スラムダンク勝利学」の記事です。
ちなみに最近、映画館で「THE FIRST SLAM DUNK」を観ました。
まず、オープニングからしてかっこよすぎますね。
内容も、まさかリョータにあんな過去があるとは…漫画でのイメージとはちょっと違いましたね。
そして「ドリブルこそチビの生きる道なんだよ!!」…あのシーンであの曲、最高じゃないですか?久々に繰り返し観たい映画だなと思いました。
最後の無音のシーンもたまらないですよね…!
映画に話それてしまいましたが、今回ご紹介する「スラムダンク勝利学」はスポーツドクターである著者が、スラムダンクの漫画を用いながら、「勝利するための考え方」、「学ぶべき考え方」について解説してくれています。
ただその考え方は、スポーツをする方だけでなく、仕事をする上でも有用なものだと思います。
私も初めて読んだのは、公認会計士試験の勉強をしている際に、努力する際の「考え方」について学びたいと思ったときでした。
そのため、どんな分野であっても、成長したいと思っている方にはおすすめの一冊です。
今回の記事は、こんな方におすすめ
・これまで、スポーツ等で努力してきた方
・スラムダンクが好きな方
・「THE FIRST SLAM DUNK」を観た方
概要
本書は「第1章 根性は正しく使う」から、「第26章 ”感謝すること”こそ勝利と一流への道」の全26章で構成されています。
ページ数としては、あとがきを入れても181頁で、ところどころに漫画「SLUMDUNK」の一コマが入っているので、そこまで重くもなく、比較的読みやすいかと思います。
また、著者の辻秀一さんはスポーツドクターであり、漫画「SLUMDUNK」の大ファンだそうです。
「スラムダンク」はきわめて奥が深く、 バスケットボールを超えたスポーツ指導書、さらには人生の哲学書といっても 過言ではありません。
しかし、何気なく展開されているため、そのメッセージをくみ取るのは大変です。
そこで、数々のスポーツチームや 選手をサポートする立場の私が、スポーツ心理学のエッセンスを少々交えて、 読者の方々に広く、その貴重な「勝利するための考え方」、「学ぶべき考え方」をご紹介します。
「スラムダンク勝利学」辻秀一
内容について
そもそもですが、「勝利学」でなぜ「考え方」について記載されているのでしょうか?
これは第1章で記載されていますが、「実力」が本番で発揮されるかどうかは、「意識」と「セルフイメージ」が関わってくるとされています。
「意識」とは、本書の中では、花道がレイアップシュートのときに「置いてくる」をイメージするようなこと、と例えられています。
しかし、上級者となれば、そのような「意識」をしなくても、「実力(下意識)」として発揮できるようになります。
そのためには練習、経験が必要となりますので、日々それに向かって努力するわけですね。
しかし、一方でこの実力が本番で発揮されるかは、「セルフイメージ」よって左右されるとされています。
すなわち、どんなに練習を積んでいたとしても、例えば、海南戦の魚住のように感情的になってしまえば、本来の力を発揮できなくなってしまう、これが「セルフイメージ」によるものです。
そして、本書ではこの「セルフイメージ」は日常生活の「考え方」や「行動」によって決まってくるとされており、これを強くするためのヒントが書かれています。
今回はそのヒントの中で、私が実践し、特に効果的だったものを3つ記載させていただきます。
「”不言実行”ではなく”有言実行”」について
これは、もうタイトルでわかると思いますが、行動については、きちんと言葉にし、責任を持つということです。
私も昔はそうでしたが、もしうまくいかなかったら恥ずかしいから、つい黙ってこっそりとやっておくということをしていないでしょうか?
本書の中では、厳しいようですが、下記のように記載されており、実際私もその通りだと思っています。
今までの日本では、不言実行が美徳とされてきました。しかし、これほどネガティブ・シンキング(消極的思考)な言葉はありません。
私から見れば「もしうまくできな ければ恥ずかしいので言わないでおこう」「もしうまくいったらその時はじめて言ってみよう」という考え方に写ります。
これは結果がすべてで、その過程や変化(理想の自画像に近づく状態)が注目されていない、それこそ勝つためにふさわしい考え方ではありません。
「スラムダンク勝利学」辻秀一
皆さまは会社で年初に目標を書いたり、宣言しないでしょうか?
そのとき適当に書かず、しっかり考えて明文化することで、私自身の言葉に責任感が生まれ、行動に変化が生まれてくると考えています。
(決してすべてが宣言通りにいったわけではないですが…)
ということで、「不言実行」のようなネガティブ・シンキングは避けて、花道が「ヤマオーはオレが倒す!!」と言ったように、言葉に出して、行動につなげていきたいですね。
「”チーム理念”がチームワークを生み出す」について
次に「”チーム理念”がチームワークを生み出す」についてですが、これは会社という組織に勤める方であれば、まず念頭に置いておきたいところです。
もちろん本書でも述べられているようにチームワークには「チームのルール」等も重要です。
しかし、形式的なルールだけでは、解消できない不満があったり、それぞれの長所を活かすことはできないのだと私も感じています。
例えば、他部署と合同のチームを組成したときも、ルールを定め、なんとかゴールまでたどり着いたものの、正直なところそれぞれの部署の不満は解消できませんでした。
これは、全社視点でためになることを考えるべきだ、ということ(理念)をそれぞれの部署に理解させることができなかったからだったと思います。
その上で、それぞれの部署の考え方の違いを理解することができれば、もっと良いものにできたのではないかといった反省がありますね。
インターハイで王者・山王工業を相手に死闘を演じる湘北高校の主将である赤木は、 個性の強い選手たちと戦ううちに、個性のまったく違うチームメイトの花道、流川、三 井 宮城に共通点を見出し、異なる点をも受け入れ、心から理解し最高のチームワークを感じ得たのです(第30巻143ページ)。
このバラバラの個性の違う五人を結び付ける共通の理念とは何でしょうか? ぜひ、 みなさん考えてみてください。
「スラムダンク勝利学」辻秀一
そのため、皆さまも、異なる考え方を持つ人々とチームになったときは、まずそれぞれが理念を理解するところから始めてみてはいかがでしょうか。
「プラス思考には休養が大事」について
今回の記事の最後に書くのが「プラス思考には休養が大事」です。
これも、本当にその通りです。ただがむしゃら頑張ればいいということではないと、常々思っています。成長には適切な休養が必要なのです。
精神力を鍛える上でも同様のことがいえます。様々な経験を通して精神的に学んでいくわけですが、その経験が苦しいものであればあるほど、成長していくことにつ ながります。
しかし、苦しいことがあまりに長く続いてしまうと、成長どころか心の体力もなくなり、結局精神力も退化していってしまいます。苦しい経験を糧にするには、それを消化できるだけの余裕が必要なのです。
「スラムダンク勝利学」辻秀一
本書でも上記のように記載されていますが、例えば、苦しいことやり遂げた後、その後も苦しいことが続くとモチベーションが保てますでしょうか?
また、前回の苦しいことを適切に振り返り、次回の改善につなげることができますでしょうか?
私はいずれも否、と思います。適切な緊張と緩和、適切はPDCAサイクル、これがないとより良い成長にはつながらないでしょう。
正直、私は極限までの無理をしません。休むべきところは休むことが役割だと思ってしっかり休みます。その中で回復や次回に向けて改善すべきところを考え、成長につなげているつもりです。
またたった3つしかご紹介できていないのに、長くなってしまいました…
今回ご紹介させていただいたものはほんの一部であるため、またいずれ書かせていただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
コメント