今回の記事「かがみの孤城(映画)」原作:辻村深月、監督:原恵一
今回の記事は、突然ですが、映画の感想です。つい先日、私の大好きな辻村深月さん原作の「かがみの孤城」を映画館で観てきました。
もちろん原作は読んだことがあり、内容は知っているのですが、それでも感動、号泣した作品でした。
なので、ぜひ感想を共有したいと思い、本の感想ではないのですが、書かせていただきました。
小説はもちろん素敵なのですが、映画は目と耳でも世界観を感じられる、より多くの方に楽しめる作品になっているな思いました。
こんな方におすすめ
- 中学生・高校生で人間関係に少しでも悩んでいる方
- 人間関係で苦しんだけれど、それを乗り越えて大人となった方
概要
映画「かがみの孤城」は、2022年12月23日公開、上映時間は116分となっています。
原作は辻村深月さん、監督は原恵一さん(『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』『河童のクゥと夏休み』『カラフル』など)です。
原作は2018年に本屋大賞を史上最多得票数で受賞されているので、ご存知の方も多いかと思います。
(それにしても、もう5年の前になるんですね、細かいところまで憶えていないわけだ…)
また、原作についての感想は、また別の機会にじっくり書きたいと思います。
あらすじ
こちらが公式サイトのあらすじです。
学校での居場所をなくし部屋に閉じこもっていた中学生・こころ。
ある日突然部屋の鏡が光り出し、吸い込まれるように中に入ると、そこにはおとぎ話に出てくるようなお城と見ず知らずの中学生6人が。
さらに「オオカミさま」と呼ばれる狼のお面をかぶった女の子が現れ、「城に隠された鍵を見つければ、どんな願いでも叶えてやろう」と告げる。
期限は約1年間。戸惑いつつも鍵を探しながら共に過ごすうち、7人には一つの共通点があることがわかる。
互いの抱える事情が少しずつ明らかになり、次第に心を通わせていくこころたち。
そしてお城が7人にとって特別な居場所に変わり始めた頃、
ある出来事が彼らを襲う――果たして鍵は見つかるのか?なぜこの7人が集められたのか?
それぞれが胸に秘めた〈人に言えない願い〉とは?
映画かがみの孤城公式サイト STORY(https://movies.shochiku.co.jp/kagaminokojo/)より
映画の感想ははじめて書くのですが、もしかしたらこれから映画を観る方もいるかもしれませんので、あまり詳細は書かないようにしようと思います。
主人公「こころ」について
主人公は、中学1年生の「こころ」。少し引っ込み思案で、大人しい、どちらかというとクラスでは目立たないタイプの女の子です。
とある事件から、学校に行けなくなってしまい、家にこもりがちになってしまいます。
ただ、それでもすごく心が弱いとか、繊細すぎるとか、そういうことではなく、どこにでもいる、普通の女の子です。
なので、「こころ」が特別ということではなく、もちろん細かい設定やシチュエーションは違うのですが、誰にでも起こり得るお話なのだと思っています。
また、一応本作品の主人公は「こころ」なのですが、他の中学生たちにも、それぞれのストーリーがあります。
映画を観終えると、誰が主人公だったのかは、人それぞれの感じ方で違うかもしれません。
感想
観た結果から言いますと、冒頭にも書いたのですが、号泣してしまいました。
原作を読んでおり、結末を知っているにもかかわらず…
原作者の辻村深月さんはあるインタビューで、自身が学校がものすごく楽しかったというタイプではない、だからこそ、こういった学校を舞台とした作品を書いたのだろうとコメントされていました。
私も同様で、ものすごく学校生活が楽しく、何も不安がなかったかというと、そうでもありません。もちろん楽しかったことも沢山ありますが、不安なことやショックを受けることもありました。
ただ、それは普通のことなのかなと今は考えます。
例えば、本作品の中でも「こころ」のクラスメイトで「真田」という、元気で明るいクラスの中心人物が出てくるのですが、本作品では描かれていないものの、きっと辛いこともあるでしょう。
そして、どうしても中学生や高校生の世界は狭く、「学校」と「家」が中心になります。
「学校」で居場所がなければ、「家」という世界にいることが多くなると思います。
大人でしたら、自分の意志で職場を変えることはできますし、趣味に没頭することもできるでしょう。そうした逃げ場をなかなか自分で用意することができないのが、学生の頃なのかと思います。
本作品では、そんな今は「学校」には居場所がない子供たちが、別の居場所を見つけて、未来に向かっていくことを描いています。
なので、人それぞれ、別に居場所なんて一つにこだわる必要もないし、誰でもほかに逃げ場があっていいんだ、そんなことを考えさせられた作品でした。
あと本が好きな方はご存知だと思いますが、原作は、かなりの大作です。
(文庫版だと上下で700頁以上になります)
そのため、原作を読んでいる方からすると、映画は少しあっさりとしているように感じられるかもしれません。ここは一応コメントしておきます。
ただ、そこは小説と映画と一長一短、お好きな方で楽しめば、問題ないですね。作品の楽しみ方は、楽しむ側の自由だと思いますので!
最後までお読みいただきありがとうございました!
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