今回の記事「人を動かす」D・カーネギー
私は30歳のとき、管理職となりました。
はじめて正式に部下を持ち、管理する側の立場となりましたが、わからない事ばかりでした。
しかも周りの方々は年上であり、どうマネージメントしていいかわからない…
そのときに、数年前に購入していたこの本のことを思い出しました。これまでに何回かは読んでおり、もちろん名著であることは分かっていました。
しかし、立場が変わって読むとまったく違う印象を受けました。いかにして人と関わっていくか、人と動かすにはどういったことが必要なのか、本当に助けられました。
本書はタイトル通り、人を動かすことに特化して、まとめられた本です。やはり、人を動かす立場となった人であれば、最初に読んでおくべき一冊で間違いありません。
今回の記事は、こんな方におすすめ
・はじめてチームリーダーやマネージャーとなった方
・チームでの仕事が苦手な方
概要
本書の内容は、4つのパート+1となっています。
PART1 人を動かす三原則
PART2 人に好かれる六原則
PART3 人を説得する十二原則
PART4 人を変える九原則
付 幸福な家庭をつくる七原則
各パートは3~12の原則から構成されています。中でもパート1の「人を動かす三原則」については人を動かす立場にある方であれば、知っておいて損のない原則かと思います。
ただ、他の章についても仕事だけでなく、家庭内のコミュニケーションに活用できる内容なので、ぜひお読みいただきたいところです。
内容について
「盗人にも五分の理を認める」について
PART1 人を動かす三原則で、最初に書かれているのが「盗人にも五分の理を認める」ですが、ここで述べられているのは、相手を批判するな(=相手の自尊心を傷つけるな)ということです。
まず、盗人のような犯罪者であっても、自分が正しいと思っているものである、ということが書かれています。
よって、普通の人なら尚更、自分が悪いとは思っていないし、間違いを認めたくないと考えられます。
その結果、正論で指摘したとしても、指摘された人は自尊心が傷つけられ、より状況を悪化させることになってしまいます。
なので、私は部下が失敗したとしても、絶対に責めないと決めています。
もちろん何故そうなってしまったかは理解する必要があると思いますが、次回そこを改善して取り組んでもらえるかが、チームとして大事になってきます。
批判をして、例え表面的に改善されたとしても、本当に心から協力しよう、頑張ろうという気持ちはなくなってしまうでしょう。
彼の成功の秘訣は「人の悪口は決して言わず、長所をほめること」だと、自ら言っている。
D・カーネギー.人を動かす (P27)
また、これは部下に限ったことではなく、どんな相手であっても同じことです。
よって、他人を批判することから何も生まれないということを頭にいれ、いかなる時でも相手を傷つける言葉を言わないように心がけたいですね。
「重要感をもたせる」について
人を動かそうと思ったら、その人が自ら動きたくなるように働きかけなければならない、そのためには「素直で誠実な評価を与える」ことが必要だとこのパートでは書かれています。
これは一体どういうことを意味しているのでしょうか。
当然ですが、人は誰でも自分が重要な存在でありたい、他人に認められたいという願望があります。
そのため、その思いが満たされることによって、人は大きな充足感を得ることができ、自ら動きたくなるのです。
人を動かす秘訣は、間違いなく、一つしかないのである。すなわち、自ら動きたくなる気持ちを起こさせること──これが、秘訣だ。
D・カーネギー.人を動かす
しかし、ただ適当に褒めたり、お世辞をいえばいいというものではありません。
表面的な言葉だけではいつか信用を失ってしまうこともあり得ます。だからこそ、心から「素直で誠実な評価を与える」必要があるのです。
私は前述の通り、部下を責めることは絶対にせず、うまくいかなかった仕事であっても、何か一つでも良かったところがないかを探して褒めるように心掛けています。
そうすることで、良いところを活かして、また次回に向けてモチベーションを高めて頑張ってくれるのではないかと思っています。
「人の立場に身を置く」
この「PART1 人を動かす三原則」で最後に書かれているのが、「人の立場に身を置く」です。
はっきり言って、これさえ出来ていれば、コミュニケーションで悩むことはないでしょう。
自動車王ヘンリー・フォードが人間関係の機微に触れた至言を残している──「成功に秘訣というものがあるとすれば、それは、他人の立場を理解し、自分の立場と同時に、他人の立場からも物事を見ることのできる能力である」
D・カーネギー.人を動かす
例えば、管理職となった方であれば、他の部署に様々な依頼をし、協力してもらわなければならない場面も多くあると思います。
その際に相手の立場に立って考えなければ、協力を得ることはできないはずです。なぜなら相手の部署も通常業務で忙しく、メリットがなければ協力しようという気持ちにならないからです。
よって管理職という立場であれば、この業務を依頼することにより、相手の部署にはどういう得があるのか、どういった気持ちになるのか、何を欲しているのか、常にそのことを考える必要があります。
そうして、人の立場に身を置いて考えることで、ようやく人を動かすことができるのです。これはどんなとき、どんな相手でも同じです。
したがって、人を動かしたいと思ったら、必ず相手の立場に身を置いて考える、まずそこが最初の一歩なのです。
本書から〝常に相手の立場に身を置き、相手の立場から物事を考える〟という、たった一つのことを学びとっていただければ、成功への第一歩が、すでに踏み出されたことになる。
D・カーネギー.人を動かす
PART1、本当はもっと書きたいのですが、とりあえず今回はここまでにします。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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